インフルエンザ influenza
インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症で、毎年秋から冬にかけて流行します。インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類に分類され、特にA型とB型が人に感染して大きな流行を引き起こします。高熱や咳、全身の倦怠感など、風邪とは異なる重い症状が特徴で、特に乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ方に重症化するリスクがあります。
インフルエンザの感染経路
インフルエンザは、主に飛沫感染と接触感染によって広がります。飛沫感染では、感染者の咳やくしゃみによってウイルスが空気中に飛び散り、それを吸い込むことで感染します。また、接触感染は、ウイルスがついた手や物を介して、目や鼻、口に触れることで感染します。インフルエンザウイルスは気道の粘膜で増殖するため、咳やくしゃみの際にはマスクの着用や手洗いが重要です。
インフルエンザの症状
インフルエンザの主な症状は、突然の高熱（38℃以上）、咳、喉の痛み、頭痛、筋肉痛や関節痛、全身の倦怠感などです。特に全身症状が強く、これが風邪との違いの一つです。子供では、急な発熱や嘔吐、下痢などもみられます。これらの症状は通常、感染後1～4日で現れ、適切な治療を受ければ1週間程度で回復しますが、重症化することもあるため注意が必要です。
インフルエンザの診断・検査
インフルエンザの診断には、主に迅速キットが使用されます。この検査では、鼻や喉の粘膜を綿棒で採取し、ウイルスの抗原があるかどうかを短時間で確認できます。
ただ、感染早期では抗原検査では捉えられないこともあることは経験されます。
2023年秋に咽頭画像を小型内視鏡で撮影し、AIにて診断を行う内視鏡用テレスコープ検査が新しく使用できるようになりました。この検査は感染早期でも診断可能なこと、診断時間が5分程度と短いことがが特徴で、診断精度も受雷の抗原検査とほぼ同等です。
当院でも2024年秋に導入しております。
どの検査を行うにせよ、発症からおよそ48時間以内であれば、治療効果が高い抗インフルエンザ薬を早期に処方できるため、発熱や全身症状が現れた際には早めに医療機関を受診することが大切です。
ただ、感染早期では抗原検査では捉えられないこともあることは経験されます。
2023年秋に咽頭画像を小型内視鏡で撮影し、AIにて診断を行う内視鏡用テレスコープ検査が新しく使用できるようになりました。この検査は感染早期でも診断可能なこと、診断時間が5分程度と短いことがが特徴で、診断精度も受雷の抗原検査とほぼ同等です。
当院でも2024年秋に導入しております。
どの検査を行うにせよ、発症からおよそ48時間以内であれば、治療効果が高い抗インフルエンザ薬を早期に処方できるため、発熱や全身症状が現れた際には早めに医療機関を受診することが大切です。
インフルエンザの治療方法
インフルエンザの治療には、ウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザ薬が用いられます。代表的な薬としては、オセルタミビル内服（タミフル）やザナミビル吸入（リレンザ）、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物吸入（イナビル）、ベラミビル水和物点滴（ラピアクタ）、パロキサビル マルボキシル内服（ゾフルーザ）などがあり、これらは発症後48時間以内に服用することが推奨されています。これにより、症状の軽減や重症化の防止が期待できます。また、安静にして体を温かく保ち、水分補給をこまめに行うことも大切です。
インフルエンザの予防方法
インフルエンザの予防には、ワクチン接種が最も効果的です。特に流行シーズン前の10月から12月にかけての接種が推奨されており、抗体ができるまでには約2週間かかります。加えて、日常的な予防策としては、手洗い、うがい、マスクの着用、人混みを避けることが効果的です。また、規則正しい生活やバランスの良い食事で免疫力を高めることも重要です。
インフルエンザについて自宅で気を付けること
インフルエンザにかかった場合、無理に外出せず、自宅で安静に過ごすことが大切です。他の人に感染させないために、十分な休養を取り、症状が軽快するまで職場や学校に行かないようにしましょう。また、高齢者や基礎疾患を持つ方、妊婦は重症化しやすいため、特に注意が必要です。周囲の方も、感染を広げないように予防を心がけましょう。
インフルエンザワクチンについて
インフルエンザワクチンは、毎年の流行株に対応したウイルス株が含まれており、接種によって免疫をつけることで、感染や重症化を予防します。特に、65歳以上の高齢者や、基礎疾患を持つ方、妊婦、小さな子供は、ワクチン接種が強く推奨されています。ワクチンを打ってもインフルエンザにかかる可能性はありますが、発症しても重症化を防ぐ効果が期待できます。小児用鼻腔噴霧型ワクチンも使用可能となっています。
インフルエンザと新型コロナの違い
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は、どちらも呼吸器系に影響を与えるウイルス性疾患ですが、症状や感染力、重症化リスクに違いがあります。インフルエンザは高熱や全身の痛みが主な症状であり、発症後数日で回復することが多いのに対し、新型コロナは発熱、咳、咽頭痛、呼吸困難や味覚・嗅覚の異常など、幅広い症状が見られることがあります。特に新型コロナは、高齢者や基礎疾患を持つ方において、重症化リスクが高くなる傾向があります。
インフルエンザについてよくある質問
- インフルエンザの予防接種は毎年受ける必要がありますか？
- はい、インフルエンザウイルスは毎年変異するため、毎年その年の流行株に合わせたワクチンを接種することが推奨されています。
- ワクチンを接種すればインフルエンザにかからないのですか？
- ワクチンは感染のリスクを減らし、重症化を防ぐ効果がありますが、100%予防できるわけではありません。かかった場合でも軽症で済むことが多いです。
- インフルエンザにかかるとどのくらいの期間で回復しますか？
- 通常は1週間程度で回復しますが、症状が重い場合や体力が低下している場合は、回復に時間がかかることがあります。
- インフルエンザの予防策として手洗いは本当に効果がありますか？
- はい、手洗いはウイルスを洗い流し、感染を防ぐために非常に効果的です。外出後や食事の前には必ず手を洗いましょう。
- インフルエンザにかかった場合、いつから仕事や学校に行けますか？
- 発熱がなくなってから少なくとも2日間は安静にし、その後も症状がないことを確認してから外出するようにしましょう。体調が完全に回復するまでは、感染を広げないためにも無理をしないことが大切です。